ECネットワークの前身は、経済産業省の委託事業(2003〜06年)でした。
2006年4月、その成果を引き継ぐ形で、会員制の有限責任中間法人ECネットワークを設立しました。2009年に一般社団法人に名称変更して現在に至ります。
ECネットワークは、インターネット取引に関する消費者からのご相談をオンラインで受け、解決に向けた助言を差し上げることを活動の中心としています。そのノウハウを、全国の消費生活センター等で相談に従事される方々にお伝えすることにも力を入れてきました。
相談員ホットラインでの個別対応のほか、2008年には、日本財団から助成をいただいてネット詐欺に関する啓発コンテンツを公開し、消費生活センター等で活用いただきました。ネット取引やそのトラブルに関するブログ記事も多数公開しています。
2012年頃までは、消費者相談担当者を主な対象とするセミナーを定期的に開催していました。その後は、自治体や消費者団体等が企画する講座や研修に呼ばれ、講師として話をすることが多くなっています。
事業者向けには、相談事例からの学びとしてお伝えしたいことを、会員限定コンテンツとして公開しました。また、特定商取引法をはじめとするEC関連法の改正や、経済産業省が策定する「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」改訂に際し、ブログで検討経過を報告したり、説明会を開催したりという形で周知に努めてきました。検討の過程で現場目線での意見を求められることも増え、消費者保護とEC事業の発展とのバランスを意識した発信を心がけています。
ECネットワークは、常に「国際」を意識して活動してきました。英文の相談受付フォームも設け、海外からのご相談も受け付けました。
経済産業省や国際経済団体の支援を得て、海外機関との連携にも注力してきました。二国間のADR連携をはじめとし、各国トラストマークの国際連携協定にも参画しました。
これらの実績を背景に、2009年、越境ECに特化した消費者相談とその国際連携に関する提案を行いました。その内容は、消費者庁による実証実験という形で2011年に一部実現しています。これが越境消費者センター(CCJ)です。CCJは、2015に独立行政法人国民生活センターに移管され、恒常的な事業となりました。
海外からの購入に伴う日本の消費者の保護にとどまらず、日本の事業者が売り手となる越境ECの支援や、越境取引に関する法的な問題の整理等にも関与しました。