第十八話: 懸賞サイトの実態

 
相談事例から“ちょっとためになるお話”

第十八話: 懸賞サイトの実態

 相 談 概 要

 メルマガの配信を行っているサイトに登録し、毎日メール配信を受けている。内容は時事問題に関するコラムが中心で、読者数はもう少しで40万人だそうである。初めはニュースを読んでいたのだが、その中に懸賞が数多くあることに気づき、懸賞もはじめた。しかし今まで当選らしい当選はなかった。

しかし今回、いくつかある懸賞の中のひとつでスロットマシンの絵柄が3つ揃った。そこには絵柄が揃うと旅行券10万円が当たると書いてあったため、慌ててサイトに対し、わたしがスロットマシンで絵柄が揃ったのを確認しているのかどうか問い合わせのメールをした。
しかし、サイトからのメールでは「個々の問題には答えられない、説明をよく読んでください、当選の場合には当選メールが送られます」とだけ書いてあった。説明には「商品の発送をもって発表にかえさせて頂きます」「当選したのに消してしまっても何の懸賞でいつ当選したのかが解れば大丈夫です」「商品の発送には30日から40日ほどかかることもあります」と書かれている。

明後日で40日になるが、当選メールも送られてこないし何の連絡もなく、配信メールだけはいつも通りに配信されてくる。今現在、当選の証拠となるものは何も無い。このまま泣き寝入りをするのだろうか。

 処 理 結 果

 オープン懸賞の類と思われたが、サイトを確認したところ、確かに当選した場合は「当選メール」が届くとかかれてあった。ただ、相談者の場合は「当選メール」といったものは何も送られてこなかったため、画面を消してしまった後では、当選したと言う証拠が何も残っていないことになる。

 ただ、残念ながらサイトを確認する限り、正直、あまりきちんとしたサイトのようには見えなかった。従って、そもそも事業者側で、当選状況をしっかり管理しているのかどうか、少々疑わしいものがあった。

 それらを考えると、今後事業者に連絡を取って交渉しても、あまり前向きな対応が期待できない可能性があった。ただ、所在地が書かれていたため、所在確認の意味も込めて、そこに配達証明付郵便を送ってみるよう伝えた。公正取引委員会の窓口も紹介した。

 解 説

 やはり手元に証拠が無いと、確実に当選したと言う主張が出来ず、あっせん自体にも入ることが不可能である。また、事業者そのものが、果たしてマトモなのかも分からなかった。懸賞でユーザを集め、個人情報収集やマーケティング等に利用しているだけなのかも知れない。40万人の読者がいるということも信用できるものではない。そうであれば、かなり問題のサイトである。

 このように、懸賞サイトに関する相談は、時々舞い込んでくる。
また、広告を見ることでポイントをためて、たまったポイントで商品券に交換できる、といったサイトで、そのポイントを長い時間をかけて貯めて、やっと1,000円分のお食事券と交換できるようになったのに、いざ申し込むと、いつまで経っても商品券を送ってこない、といったものもある。

 このようなケースでは積極的な金銭被害は無いが、せっかく懸賞に当たったりポイントを貯めたのに、そのときにはサイト側が全く対応しないといった、ある意味サギ的なサイトである。いずれも相談者はひどくがっかりする。
 もちろん、きちんと懸賞を行ったりポイント配布を行うサイトがほとんどと信じているが、残念ながらこういった悪質サイトもネット上では存在している。そのとき知らせてしまった個人情報はどこに行くのか、それを考えても相談者は不安であろう。「美味しい話はそうそうない」という台詞で片付けるには、あまりに不憫である。