(1)
指定の期間内に、コンビニ端末でオンラインゲーム専用のウェブマネーを購入した人だけが応募できるキャンペーンに応募した。
翌月末にキャンペーンの当選発表があり、そのオンラインゲーム推奨PCが当選しました、という内容のメールを受け取った。そして、その専用受付フォームに、メールを受け取ってから1週間以内にアクセスして受付を済ませてください、と書いてあった。
そこで、期間内に受付フォームにアクセスして、応募時登録したメールアドレスを入力して個人情報登録画面に入り、個人情報を入力後、登録ボタンを押した。当選品の発送は翌月上旬と書いてあったので待っていたが届かなかった。おかしいと思い、キャンペーン事務局に問い合わせをしたところ、登録出来ていないので当選無効、と言う返事が返ってきた。
私は登録期間内に個人情報を登録フォームで入力して登録ボタンを押して受付したと返事をしたが、登録が無いとの一点張りだった。しかし、登録フォームで個人情報を登録する際、キャンペーン応募時に登録したメールアドレスを最初に入力しないと個人情報登録画面に進めないので、個人情報登録画面に行くということは、私が期間内に登録フォームにアクセスしているという証拠になると思う。何度もキャンペーン事務局にメールで訴えたが聞いてもらえない。
これでは最初から当選品を送る気が無く、個人情報を登録出来ない様に設定してあったとしかいいようがない、うそのキャンペーンだったと言える。
(2)
長崎県在住。
有料オンラインゲームにて開催されたイベントに参加をした。その内容は、オンライン上でチーム戦を行い、予選ブロックで優勝すると、決勝トーナメントへの出場権を獲得し、その後、東京で開催される本大会への出場ができるシステムになっている。
私達のチームは予選ブロックで優勝し、出場権を得ることができた。その後、チームの代表者(私ではない)のみへ、ゲーム会社より、本大会参加への確認メールが届けられていた。そのメールには、出場の手続き期限は4日後の23:59:59までと書かれていて「返答期日までにご連絡が無い場合には“出場しない”とみなします」と、明記してあった。
ところが、チーム代表者のPCが故障により、メールが送られていた時期にメールが確認できない状態になっており、確認できる状態になったのが締め切り6日後の午前2時頃だった。さらに、締め切り3日後には、チーム代表者のみへ「出場資格喪失」のメールが、ゲーム会社から送られていることもわかった。私がこの事実を知った即日、私とチーム代表者から、ゲーム会社へ事情説明と、出場権の再発行を何度も求めたが、こちらの希望に沿うことはできません、の一点張りだった。
さて、この大会の規約に「決勝トーナメント大会参加における全ての費用(交通費、宿泊費、食費など)は、参加ユーザが自己負担するものとします」と明記してあり、私は遠方より参加となる予定だったので、すでに会場へ行くために必要なホテルと航空券のセットを自費で購入済みだった(ホテル一泊付長崎〜東京往復航空券、48,500円)。
航空券は、出発日の前日から起算して20日以内のキャンセルは、キャンセル料として価格の20%〜100%を支払わなければならない規定になっている。出場は諦めて、今から航空券をキャンセルしても、キャンセル料が発生する。
しかし、チーム代表者のPC故障はもちろん、その返答期限に関しては、サイト上にどこにも記載が見あたらず、代表者のみにメールが送られることを知る手段が無かったため、この結果に納得がいかず、これは、ゲーム会社の連絡体制が十分でなかった事による過失ではないかと思う。
(1)
相談者が、サイト上のフォームで個人情報登録後、登録ボタンを押した後の最終画面に、全ての登録手続きを完了とする、といった内容の画面が表示されていたのかどうかが分からなかったが、技術的には個人認証用のログイン画面が存在し、事務局側のサーバにアクセスしていた記録を調べることは可能のように思われた。
しかし、事務局側があくまでそのような記録が無い、と主張する場合は、残念だが強制的にその記録を開示するよう求めることは難しい。その場合は、相談者側のほうで、何かしら登録手続きを行ったという事実が提示できれば、それを使って交渉することは可能ではないか、と伝えた。
また、個人情報の不正取得とまでは言い切れず、事務局側に対し登録した個人情報の削除を求める場合は、個人情報保護法上での主張は難しいが、事務局側に対し利用停止を求めてみてはどうか、と伝えた。
(2)
代表者は、運営側から送られていたメールが、PC復活後、確認できたということだったので、ゲーム会社からのメールはきちんと送られていたということになる。そうすると、その間、代表者がゲーム会社からのメールを受信できなかったという点については、これは少なくともゲーム会社の責任ではなく代表者の落ち度であり、このような状況において、きちんとメールを受信できる環境下にしておくことは、代表者としての責任でもあると思われた。
すると、一旦喪失した出場権を復活するようゲーム会社に求めることは、ゲーム会社が承諾しない限り困難と思われた。
そのために、東京での大会出場のため、予め用意した航空券とホテルにおいて、出場資格喪失によりキャンセルする必要があり、そのキャンセル料が相談者に発生するのであれば、それはその代表者に対し賠償請求する流れになるのではないか、と伝えた。
またサイト上には、確かに、この決勝トーナメント参加の返答期限に関して、どこにも記載が見あたらなかったが、この回答期限付きメールは、既にブロック予選を終了し、決勝トーナメントの出場に関する運営側からの、個々のチーム代表者に宛てた意思確認のメールと思われたので、個別に同意を得た上で進められていくステップのひとつとも考えられ、特にサイト上で公表しておかなければならないものとはいえないのではないか、と伝えた。
その後、相談者より、ゲーム会社とは交渉を続けたが、手続きの手順に関する詳細な回答をもらったものの、参加はどうあっても無理とのこと、ただ、チーム代表者からは、旅費のキャンセル料を全額弁償するという約束をもらい、この件は、これにて解決ということにしたいと思う、との報告があった。
(1)は、以前マンスリーレポートで紹介した事例でもあるが、自分は登録手続きをしたつもりだったのに、事務局側より「登録がない」として、当選無効を一方的に通知され、納得できないといった事例である。
ただ、実際は応募したとき記載したメールアドレスでログインしてから登録手続きを行うのであるから、全く記録がないとは言い切れないのではないか、とも思われるが、事務局側は、全ての手続きにおいて滞りなく行われていないものに例外を認められないのかもしれない。
(2)において少々説明すると、大規模MMOと呼ばれるオンラインゲーム上では、ユーザ同士がチームを組み、日々対戦が行われているのだが、年に一度ほど、ゲーム会社主催のイベントが東京で開催され、その中の目玉のプログラムのひとつとして、そのようなチームによるトーナメント決戦がある。 イベント開催2ヶ月前からエントリーし、予選から決勝までのトーナメントに参加して、勝ち残ったチームに商品や特典が与えられる。各地区予選で勝ち抜いたチームは、最終的にそのイベント会場で、多くのイベント参加者やゲーム業界、出版社などが見守る中、決勝トーナメントに参加して戦う。
相談者のチームは、地区ブロックで優勝し、イベント会場で行われる決戦トーナメントの参加権利を得ていたということなので、高校野球でいえば甲子園に出られる権利である。その参加確認メールの到着が、代表者のPC故障により確認できず、参加権利が喪失してしまった上、手配済みの航空券でキャンセル料が発生する、といった、相談者の苦痛は非常に良く分かる。
大体、大規模オンラインゲームにおいて、地区ブロックのトーナメント予選を突破できるぐらい強いチームの代表者であれば、ITリテラシーもかなり高いと思われるのだが・・(ネット廃人とまでは言わないが)。保有のPCが1台故障したぐらいで、全てのメールを受信できなくなるようなIT環境で、果たしているのだろうか。
ただ、(1)、(2)どちらのケースにおいても良く分かることは、インターネットに「確実」は無い、ということである。ただただ、残念。