(1)
ソーシャルネットワーキングサービス(以下:SNS)内に、あるバンドのコミュニティがあるのだが、そこの『チケット譲って下さい※2008ツアー専用』というトピック内に、11月28日に“R”という名前でチケットを譲ってほしいと書き込みした。
11月29日、“K”という人からメッセージを貰い、2008年1月11日のチケットを2枚譲ってもらうことになった。振込確認後にチケットを発送するから、郵便局の口座へ入金をしてほしいと言われたが、名前や住所などを聞いてもちゃんと答えてくれなかったことと、私自身が郵便局の口座を持っていなかったことから、12月1日に直接会うことになった。
チケットは実家にあるということでお金だけほしいと言われ、身分証などを提示するという約束で会った(チケットは3日に発送すると言っていた)。
実際に会い、身分証を見せてもらい、郵便局の手帳を写メールさせてもらった。若い男の子だったため、メールでのやりとりは不慣れなのかなぁと思い、会った事で安心し、信じてしまった。その場でチケット2枚分¥11,000を現金手渡しした。
会った際に、チケットがまだ余っているということだったので、友達に譲りたいから残りも譲ってほしいと言い、残りの5枚、計7枚を譲ってもらうことになった。
その後、残りのチケット代も欲しいといわれ、5枚分は無理といって3枚分¥16,500を郵便局の指定の口座に電信払込みにて支払った。
4日に、ぜんぜん知らない“M”という女性から、突然SNSにメッセージが届いた。内容は、Kさんと直接の友達だったら、自分に連絡をくれるように言ってくれというものだった。私がKさんと会った後、友人としてSNSに登録していたため、連絡をしたということである。同じコミュニティの、同じトピックで、違う会場のチケットを譲ってほしいと書き込みしたMさんに対して、私と同じようにやりとりをし、振込み後から音信不通で、チケットが送られてくる気配もないようである。
私は、今現在もKさんと携帯のメールでやりとりをしているが、おそらくまだ支払っていないチケット代があるからではないか、と思っている。Mさんともやりとりをし、お互いどういうやりとりをしたかという情報交換をしているが、私が知っているKさんの個人情報と、Mさんが知っているKさんの個人情報は、やりとりしている携帯のメールアドレス以外が違っていることがわかった。
Mさんが、『104』に電話して電話番号を調べてくれたのだが、住所が違っているようである。
Mさんは、私にしたのと同じように、Kさんに関係する人にメッセージを送ったそうである。
その中で、以前チケット関係でKさんとごたごたがあったという人と連絡が取れたのだが、Kさんは、実際はチケットを持っていないだろうということで、今までに、そういった事が何度かあり、常習犯の可能性がある。
私はまだ連絡が取れているし、近々会い、そこで私は残りのチケット代を支払うとKさんに言っている(実際支払う気はない)。
以前、Kさんに同じような目に合わされた人が、警察に届けると言ったところお金を返してもらったそうなので、会った際にMさんの事など話してみて、できたらお金も返してもらいたいと思っている。話し合いで解決するならそうしたいが、もし突然音信不通になったりでもしたらと思うと不安である。
現在、未だチケットは届いていない。私は、支払ったお金を全部取り戻したいし、同じ被害にあった人がたくさんおり、このままでは、どんどん被害者が増える一方である。
(2)
SNSを利用していて、SNS内では友人登録した人だけに日記などを公開していたのだが、3週間程前に女性の方から、友人登録お願いします、という申請メッセージが入り、そのとき、忙しくて適当に承諾してしまった。
それから3日程してSNSサイトを開いたら、自分のページに覚えのない名前の人が友人登録されており、プロフィールをみたら男性で、おかしいなと思った。
たまっていたメッセージをみたら、その人から『ごめんなさい、おれは、女じゃなくて男です』と言ってきたので、『わかりました、でも、知らない人とは怖いので申し訳ありません』と送ったのだが、それ以来、一方的なメッセージなどが多数送られてくるようになり、最終的に『付き合って3週間たつのになぜメッセージくれないの?』などからはじまり、『お前なめとんのか!!おまえの友人のやつらに、お前の写メとかをはって、淫乱なやつなんだってばらしてやるから』などときて、なぜか電話も来るようになった。
私は、怖くてSNSを退会してしまったのだが、その人は、私の大事な友人たちにメッセージを送り、私のことを知っているか?など聞き回っているみたいである。私はこんなことをされる覚えもないし、友人たちも私の電話番号など教えるような人たちではないので本当に悩んでいる。
調べてみたら、SNSで住所や電話番号がばれた例があることや、会社の上司などとのつながりを調べられてデマを流されるという話を聞いたので、怖くて相談した。
(3)
ネットオークションでビジネス情報を15,000円で購入したが、事前の説明と大きく異なる上、実現不可能な方法である。返金して欲しい。
先ず、オークションでの内容を要約すると、概ね以下の通りである。
・商品代金1万5千円で先着50名の販売である
・10日間で150万円を稼ぐことが出来るビジネス情報である
・1週間に5時間の作業時間が必要となる
・在宅で可能な仕事である
・サポートはメール、また電話(電話は1日10分迄)で永久的に可能である
・購入者には住所、電話番号を教えてくれる
・10日間で150万円稼げなければ差額を保障してくれる(130万円稼げれば20万円を保障)
・何らかの都合により代金の入金後、商品の納品が遅れる事に承諾させられる事
・違法な手段、また仕事内容ではない事
・【絶対に損はさせない】との事
・『海外サイトを使う?メルマガ?ホームページ作らなければいけない?アフィリエイト・・・全く関係ありません!』とサイト上には記載しており、問い合わせても知識や経験、パソコンすら必要ないとの事
そこで、代金を指定口座に振り込んだ後、連絡は住所・電話番号を通知されていないので連絡は全てメールで行った。以下はそのやり取り。
『準備としてどのような分野でも構わないので専門的な知識(人に話せる程度のレベル)を図書館なりで身に付けてくれ』と連絡をもらう。
→翌日『以前から興味のあったギターについて知識と経験は十分ある』と連絡。
『都合により納品が遅れる』との返答。
→具体的な日時について問い合わせると『最初の約束事項を確認してくれ』と、”都合により納品が遅れる事に承諾”を再確認させられる。
10日程経過した後、『これ以上納品が遅れるのならば返金してもらいたいのだが』と連絡すると、約束事項の再確認を要求されるのみで、返金や電話番号などについての質問は一切無視される。
更に10日程経過した後、ようやく商品の情報がメールに記載されて送付された。入金後から20日程、その間の質問については先の約束事項の再確認のように一切返答がない。
しかも、その情報の内容とは以下のように、事前の説明に無い、実現不可能な内容であった。
A:登録無料の会員制SNSサイトに登録しなければならない。
登録にはすでに登録している者からの紹介が必要で、紹介してもらえる知人がいない場合は、別途5000円を支払って取引相手から紹介を受ける必要がある。
B:容姿の優れた人物の写真(男女問わずアイドルと比較して遜色のない)を用意する必要があり、それを無断で使用する事、また写真を用意できなければ別途5000円で取引相手から写真を購入する必要がある。
C:差額保障の前提として作業記録をビデオカメラで撮影する必要がある事。
具体的な撮影方法などの指示もなく、ビデオカメラが用意できない場合の指示もない。
(A・B・Cとも別途料金が必要になる事、また内容は事前に通知されていない)
D:インターネット上での広告を自身で作成したホームページなどに掲載することで収入を得るビジネスである。
少し補足すると、広告主からホームページなどに掲載する広告を依頼されるのだが、幾つか種類を分類する事が出来る。広告の内容はアダルトグッズや消費者金融などが多いのだが、自身のホームページへ訪問した人を広告のホームページへ誘導するのが仕事の内容となる。
分類できる種類として、広告が1回クリックされる毎に一定額の収入が発生するタイプ(通称クリック型)、そして広告先のホームページから何かの商品が売れた際に収入が発生するタイプ(通称アフィリエイト)等がある。
取引相手から購入した情報にはアフィリエイトと呼ばれるタイプでクリック型を例に挙げているものの、広告で収入を得る仕事内容である。
そして堂々と【アフィリエイトでも同様に稼ぐ事が出来る】と書いてあり、ホームページを作成する必要もある。
E:住所・電話番号は、購入者の原因からではなく取引相手の都合により教える事が出来なくなったとの約束違反。
ただ、オークションに相談した結果、警察などの公的機関から照会の要請を受ければ個人情報は一定期間保管している為、提示できるとの事である。
つまり、この情報は、SNSを宣伝媒体とした仕事内容なのだが、SNSでは広告等の宣伝禁止、他人の写真掲載など名誉・信用・プライバシー権・パブリシティ権・著作権・その他の権利を侵害する行為の禁止、また登録に必要な紹介行為を売買する事を禁じている。
(処理概要、及び解説は後編へ)
※SNS ソーシャルネットワーキングサービス
人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサイト。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供する、会員制のサービスのこと。人のつながりを重視して「既存の参加者からの招待がないと参加できない」というシステムになっているサービスが多いが、最近では誰も自由に登録できるサービスも増えている。
SNSには、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能や、互いにメールアドレスを知られること無く別の会員にメッセージを送る機能、新しくできた「友人」を登録するアドレス帳、友人に別の友人を紹介する機能、会員や友人のみに公開範囲を制限できる日記帳、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できるコミュニティ機能、予定や友人の誕生日などを書き込めるカレンダーなどの機能で構成される。有料のサービスもあるが、多くは無料のサービスとなっており、サイト内に掲載される広告や、友人に本やCDなどの商品を推薦する機能を設け、そこから上がる売上の一部を紹介料として徴収するという収益モデルになっている。
SNSは2003年頃アメリカで相次いで誕生し、検索エンジン大手のGoogle社が「Orkut」というSNSを開設したことで話題になった。草分け的存在の「Friendster」や、登録資格を大学生に絞り人気を博した(現在では一般にも開放)「Facebook」、世界最大のSNSに成長した「MySpace」などが有名。日本でも2004年頃からサービスが始まり、日本最初のSNSと言われる「GREE」や、会員数500万人を超え社会現象ともなった「mixi」が有名である。登録資格を絞った特定分野限定のSNSなども数多くあり、最近では自分でSNSを開設できるソフトウェアなども公開されている。
(IT用語辞典 e-Words より引用)