第五十六話: オークション利用停止ユーザの特徴

 
相談事例から“ちょっとためになるお話”

第五十六話: オークション利用停止ユーザの特徴

 相 談 内 容

 (事例1)
 所持していたギターアンプを先日オークションに出品し、180,000円で落札された。その後、一度落札者に連絡を入れた後、出品と自分のオークションIDが利用停止になってしまった。
 利用停止措置に対しまったく身に覚えがなく、その旨をサポートセンターに問い合わせているのだが、返信もなく大変困っている。このままでは取引が破談になり、手数料だけをオークションサイトに払わなければならない状況になるのではないかと思う。返信を待つしかないのだろうか。破談になった場合手数料等の支払いは拒否できるのだろうか。

(事例2)
 4ヶ月利用しているオークション。
 先ず、ブランド品のネックレスを「購入先不明」と記して出品したら、それを理由に出品が削除された。
 その後、他のオークションで入手したブランドバッグを出品したが、その時「本物」と明記しなかったら、そのせいか同じく出品を削除された。
 さらにその後、やはりブランド品のバッグを、今度は本物であると記した後に、「元の所有者はファクトリーで入手したみたいです」と書いたら、警告を受け、やはり出品を削除された。

 3回も警告と出品を削除されたので非常にショックを受けたが、立ち直って今度はアメリカの通販で購入したシャツを、メーカー名そのままで出品していたら、また警告を受けた後、今度は強制退会させられてしまい、その後オークションサイトに問合せしても一切対応されない。
 このような対応はいかがなものだろうか。

 処 理 概 要 及び 解 説

 オークションの利用者、特に出品者側に多いトラブルとして、オークションサイトからの身に覚えの無い利用停止措置をいうものがある。オークション参加停止措置や強制退会については、例えば出品している商品が出品禁止物である場合や、その出品方法が予め定められているオークションの利用規約やガイドラインに違反している場合、若しくはその恐れのある場合に行われる。

 しかし、最近では、それら規約等で公開されている違反行為にはすぐさま該当しなくても、オークションサイト側で予め設けている「このような出品はトラブルが発生しやすい」という基準にたまたま該当してしまうと、それでも出品の削除、若しくは利用停止がなされるのである。もちろん、それらの基準のほうは一切公開がされていないため、問合せにも満足した回答が得られないばかりか、全てコピーアンドペーストのような回答が届くばかりなので、それがユーザの更なる不満にも繋がりやすい。

 利用停止措置にかかる金銭的な問題点としては、先ず1つが、オークション利用停止がなされる前に落札された商品がある場合、その落札者と連絡が取れなくなってしまうため取引が遂行できなくなるという点、またもう1つは、仮に落札者と取引が出来なかったとしても、出品や落札等に伴い発生するシステム料や手数料等の負担をオークションサイトから請求されてしまうという点がある。

 規約等以外でオークションサイトに目をつけられるケースは、いわゆるブランド品や、ソフト、CD、DVDなどの知的財産権に関するトラブルが発生しやすい商品や、またパソコンやAV機器、電化製品など、換金性が高く比較的高額な商品を出品している場合で、その出品説明において問題がありそうな場合、オークションで入手した商品をそのまま出品しているような場合、今まであまり利用していないようなユーザが突然多数の出品を行うなど、第三者の可能性があると疑われるような場合などがあるようである。

 そして、違反が疑われるユーザに対する利用停止までの道のりは、実はオークションサイトによって大分違いがあるようである。
 事例1のケースは、問答無用で、突然利用停止にされてしまうケースで、トラブルとしてはかなり多い。このケースのオークションサイトの姿勢としては、何より被害拡大防止を優先し、疑わしきものはすぐに罰してしまい、その後の調査等で問題ないと判断された場合はIDを復活するのである。従って、オークションサイトに粘り強く交渉すればIDが復活する可能性もある。
 一方、事例2のケースは、先ずは出品の削除とその理由についてもある程度公開するなど、散々本人に警告をした後に、最終的に利用停止(退会)を決定しているため、逆に交渉による復活の見込みはかなり低いかもしれない。この場合、警告を喰らった場合は、少なくともしばらくはオークションサイトからは目をつけられているであろうことから、しばらくはおとなしく出品は控え、落札だけで参加しているほうが得策のようである。