(1)
以前に米国永住権に関する情報提供という形で、メールマガジンに登録した。すると先月、米国本土よりその件での問い合わせの電話があった。
その中身としては、「クレジット番号や暗証番号を教えてください、使用カードは何ですか?」と聞かれ、突然の電話で驚いた。
その場でサインアウト、つまりキャンセル手続きをしたが、手続き解除になっておらすメールアドレスで登録済みということでカードの方に料金の請求がされた。
(2)
グリーンカードの申請をネットで行った結果、翌日アメリカより電話があったので、話を聞いたら、その時の申込内容の確認だった。
申込内容にはネットにて氏名、住所、電話、カード番号を記入済み。あまりにも早口で理解不能だったため、メールや書面にして送って欲しいと伝えたが聞く耳持たず、そんな感じならキャンセルすると言ったら、キャンセルは受け付けないと言われ一方的に電話を切られた。
あまりにも不審な為、翌日カード会社に問い合わせてみると、すでにネットで申し込んだ4倍の金額が請求されていた。カード会社には拒否できないと言われた。非常に不愉快で、かかってきていたアメリカの電話番号に電話すると、かかりはするが、誰も出ない。
そこで、登録したサイト上に載っている電話番号に電話したら、そんな内容はわからないという。でもお宅の情報が漏れているのが原因だからキャンセルする!というと、またキャンセル不可能という。
次の日、カード会社には更なる請求がきていた。完璧にグルの詐欺だと思う。現在、カード会社に調査依頼しているが、支払い拒否出来るのだろうか。
昨年より同様の相談が多く寄せられている。サイトの業務内容は有料で行うグリーンカードの抽選申込みの代行である。なお、米国政府へのグリーンカード(Permanent Resident Visa)抽選申込み自体は、誰でも無料で出来る。
手口としては、グリーンカード抽選の申込みや申請手続きが安価で出来るとサイト上で謳われているため手続きすると、海外から直接本人のところに英語で電話がかかってくる。電話は英語で早口のため、すぐに内容を理解するのが難しく、またキャンセルと伝えても拒否されてしまう。その後、登録していたカード会社に高額な請求がなされる。
サイトは日本語表記もあるが、他国の消費者も対象としているためか、バイリンガル表示になっている。
サイト上の手続きは、個人情報やカード情報を取られたりするが、内容はあくまでグリーンカードの申込みだけのため、その後かかってくる電話で強引に更に何らかの契約をさせられているとも考えられる。
しかし、特に電話口の相手が何を言っているのか、電話がかかってきた時点で相談者が聞き取れていないことがほとんどのため、電話口でどのようなやり取りがなされていたのかがはっきりと分からず、そのため、その後にカード会社にあがってきている請求に全く合理性が無いのかどうかの判断が難しい。
新たな契約を結ばせようとしたり、別会社からの勧誘電話だった場合は、電話勧誘販売といえるかもしれないが、少なくとも現時点では指定役務ではないだろう(日本でも同じような手口として、本来は無料で誰でも手続きできる公団住宅などの抽選申込みを、いかにもその会社を通じて申込めば当選に有利と見せかけて有料で申込代行を引き受ける事業者が幾つかあるが、それは指定役務にある)。
もちろん、本人の意志に基づかない請求がされている、契約の解除やキャンセルを希望するのであれば、本来は、直接の契約相手である相手方に対し、その旨、再度、意思表示を行ったり、支払いに同意していないのであれば同意していない旨主張し、今回の請求自体が無効であることを相手方に主張することが考えられる。
しかし、このようなサイトや事業者を相手に交渉を行うこと自体が合理的ではなく限界があれば、やはりクレジットカード会社に相談して不正な請求と主張し、先ずは取引への調査を依頼してみたり請求をストップ、若しくは返金手続きをすることが一番現実的な解決方法と考えられる。
カード会社と交渉の際に、警察に相談したほうが良いか訊ねてみたり、今後の悪用を防ぐため、念のためカード番号を変更しておくことも検討が必要と思われる。
もちろん、日本国内にあるグリーンカード抽選申請申し込み代行業者の中には、きちんとしている事業者も多いと思われるが、特に海外の事業者の場合は要注意かもしれない。