第六十六話: 後払い代行システムにおけるトラブル事例

 
相談事例から“ちょっとためになるお話”

第六十六話: 後払い代行システムにおけるトラブル事例

 相 談 内 容

 (1)
 腕時計を10,290円で後払い注文し、商品が到着して錆びがあるのが気になったので、返品特約通り(連絡のうえ・30日以内・未使用・納品書があること)電子メール・電話(会社・携帯)連絡をしたにも関わらず返事がなかった。
 仕方なく、そのまま商品の中に私の携帯番号と、返品理由、連絡が取れなかったことを書いた手紙を添えて送った。

 その際、代金が後払い代行会社から請求書が届いていたので気になり、その後も購入した会社に何度も連絡したが、携帯・電話・メールも一切つながらない。
 仕方なく、今後は後払い代行会社にメールし、購入会社に私が何度も連絡しているのにつながらないことや電話がほしい事を伝えてもらうようにしたら、ようやく購入会社から連絡が来て、「一度も返品希望のメールはきておりませんし、故意的に商品を返品したとみなし、もしキャンセル料の3,630円を支払って頂けるならば今回の契約は解除させていただきます、支払いは任意ですが、支払わない場合第三者をたてます」との内容のメールが来た。責務者といわれ怖くなりキャンセル料を本日入金したが、今後何かあるだろうか。連絡取れず困っている。

(2)
 先日、ネットショップにて商品(香水)の購入手続きをした。コンビニ後払い決済での支払いを希望し、ショップ側の連絡だと「商品とは別に後日コンビニ決済の支払い申込書を送りますので、2週間以内にお支払いを済ませてください」とのことだった。
 商品は無事に届いたのだが、コンビニ決済の支払い申込書のほうがなかなか届かず、メールでその件を2度問い合わせてもなんの返答も来ない。電話もしたのだが、留守番電話になってしまい連絡が取れない状況。
 既に支払い期限の2週間が過ぎているので(支払い申込書がないので払えないのだが)どうしたものかと思う。

(3)
 さつま芋(冷凍焼き芋・生のさつま芋・さつまいもパイ)商品を10,060円分注文。同時に注文したが、先に冷凍の芋が届き、その中に商品内訳書は入っていなかった。生の芋が届くのはいつだろうと不安になっていると、2日後にいきなり後払い代行会社から支払期日の定められた請求書が届いた。品物が全部そろっていないのに後払いの請求書が届いたのも驚きだが、その金額が注文最終確認画面と異なっていた。

 わたしは、画面のコピーを残していたのだが、その「ご注文内容確認」画面では最終的に品物の代金が8700円、送料1060円、後払い代行会社の手数料300円となっており、合計10060円で注文完了ボタンを押した。ところが、請求書には送料が2倍の2120円となっており、すぐに業者にメールで問い合わせをした。
 返ってきたメールは「冷凍焼き芋との同梱は出来ない旨の表記をお読みくださいましたでしょうか、誠に申し訳ございませんがコンビニ払いの場合は後払い代行会社からのご請求とも書いてございます」というものだった。
 そして、何も通知がないまま生の芋とさつまいもパイが届いた。

 たしかに個々の品物の説明画面には送料の説明があるが、注文する側としては最終確認の画面を見て注文しているのだから、その金額を信じられなければ何を基準にすればよいのだろう。品物がそろっていない時点を基準にする請求方法も不信感があるし、なにより金額をあとから変えてくるような料金はおかしいと思う。
 昨日が支払期限だったため、この日にも業者宛メールで問い合わせしたが、依然として返信がない。このまま支払わないでいると延滞料金が請求されたりするのではないかと不安になりながらも、たった1060円のこととはいえ、今まで通信販売をいろいろ利用してきて、こんな不明朗な料金を請求されたことがないので相談した。

 処 理 概 要 及び 解 説

 ネット通販のトラブルは圧倒的に前払いのケースが多いが、中には後払いのケースもある。その場合、問題になるのは、後払いシステムを提供する決済代行会社が間にいるケースである。

 この後払いシステムは、物販などのサイト事業者が、予めこの後払い決済代行会社と契約しておき、サイト上で購入者がこの後払いシステムを選択することで、その債権はこの決済代行会社に譲渡され、事業者は手数料を支払った上で、代行会社から立て替え金を受取ることが出来る。客に後払いシステムを提供したいが、商品発送しても代金が支払われないリスクをとりたくない事業者に採用されているようである。
 ある代行会社の場合、購入者には別送で代行会社から請求書が届き、請求書の発行後、14日以内に代金を決済代行会社に支払うことになっている。支払方法はコンビニ店舗のほか、郵便局や銀行でも支払いが出来るが、利用上限額は52,500円(税込)で、購入者に対し14日を過ぎても支払われていない債権がある場合、新たな利用を受け付けない。

 このようなシステムを利用して、商品が届いた後に、ショップや商品に関し、何らかのトラブルが発生した場合、その支払いを一時的に拒むには、これら決済代行会社にも同時に主張していく必要がある。(3)のケースでは、決済代行会社に連絡したところ、金額の変更には応じられないが、業者と話し合い中であることはメモしておく、との回答があった。(1)のケースでは、本人では連絡の取れない事業者との連絡代行を引き受けている経緯もあり、ケースバイケースだが、ショップとのトラブルにも多少は対応してくれるようである。

 一方、(2)のケースは、だからといって受取ったまま放っておくわけにも行かないため、決済代行会社に本人より連絡してもらったところ、回答は、「今回の購入履歴はあるが、ショップのほうから請求書送付許可がおりていない」とのことだった。「早急に確認して、請求書をお送りします」との返事があり、その2日後、決済代行会社より無事に請求書が届き、支払いを済ませたとのことであった。