第七十三話: 定期購入とは

 
相談事例から“ちょっとためになるお話”

第七十三話: 定期購入とは

 相 談 内 容

 (1)
 豆乳クッキーを1回限りのつもりで購入したのだが、1ヵ月後、ちょうど留守の時に代引きで商品が届いた。即電話を入れて返品の話をしたが、定期購入であることはサイト上にも書いてあるし、商品の中に一緒にパンフレットも入れてあるから、返品の場合は代金の振込み手数料・代引き手数料・送料も差し引いて後日用紙を送ります、との返答だった。
 こちらは定期購入を申し込んだのではなく、注文のページにはその事は書いてなかった。注文のページの前には書かれてあるが、それも今日相手の会社に電話して初めて知った。  また、最初の商品は開けずに、そのまま娘に転送していたので、パンフレットの存在も全然知らなかった。

(2)
 消費期限の短い生のサプリを扱っているサイトで、購入の際に、
・そのつど注文プラン(毎回注文)と、
・とくとく定期プラン(1度の注文で二週間ごとにお届け)
 のどちらかを選んで注文するのだが、間違えて定期プランで注文してしまった。
 解約したくて電話したのだが、「電話が混み合ってる」というガイダンスが流れるだけで、朝から夕方まで一向に電話が繋がらない。サイトのお問い合わせからメールしても全く返事が来ない。どうしたらいいのだろうか。

 処 理 概 要

 (1)のケースは、3回の定期発送のコースであり、サイトを確認すると以下の記載があった。

【合計3回定期発送について】
「合計3回定期発送」は、発送2回目から10%OFF価格、送料無料となります。
※定期発送2回目以降は、現金、またはクレジットカードのいずれかでお支払いいただく「代金引換」での発送となります。初回ご注文日から1ヶ月ごとに「合計3回」初回ご注文個数が発送されます。
※1ヶ月後とは、原則翌月の同日をさします。翌月同日が営業日でない場合は、同日前後の営業日に発送されます。また、月末などで翌月同日が存在しない場合は、その月の末日発送となります。
「合計3回定期発送」は、いつでも「お休み」することができます。次回発送の10日前までにご連絡ください。

 特に分かりにくい表記であるとはいえなかったため、もしこの記載が相談者の注文時も同じように存在していたのであれば、それを読み落としたのは相談者の落ち度となる可能性もあると伝えた。その場合の返金は自己都合によるものと解され、予めサイト上に記載の返品特約に則ることになろうと考えられた。

【交換・返品について】
お客様のご都合による返品は、返送料・各種手数料はお客様のご負担となります。
(商品到着後8日以内にお知らせください。但し、商品未開封に限ります。)

 しかし一方で、広告上では、あくまで1箱分の金額しか記載されておらず、3ヶ月に渡り送られるシステムであれば、商品説明には3ヶ月の支払い総額の記載があるべきと思われた。また、注文途中においても、3ヶ月発送のシステムであることへの説明がもっと必要かと思われた。
 既に代金引換郵便にて2回目の代金を支払済みとのことだったため、返品・及び返金の際は、上記の点を事業者に主張し、手元にある商品の返品にかかる費用負担等の減額交渉をしてみてはどうかと伝えた。

 (2)のケースは、サイトを確認すると、「とくとく定期プラン」の解約は次回お届け予定日の1週間前、また、お届け2回目以降となっていた。

 そこで事業者とは電話やメールで連絡が取れない状況とのことだったため、先ずはメール送信記録を全て保存の上、念のため、所在地に証拠の残る形として書面により意思表示をしておくよう伝えた。

 解 説

 ダイエット食品や健康食品、化粧品など、消耗品で、しかもある程度継続して利用するような商品の販売において、このような定期購入システムを採っているサイトが増えてきている。販売サイトにおいては継続的な売上が期待できるため、定期購入に申込むと割引があるということを謳い、定期購入の利用客を多く獲得しようとしている。

 定期購入であること、また途中で止める方法についてきちんと明記されていれば特に問題は発生しないことと思われるが、中には定期購入であることが分かりにくいサイトもあり、また(2)のように解約したくても連絡が取れないというケースもある。
 継続して請求がなされるものであるから、その取引内容が誰でも理解できるような、注文者の目線に合わせたサイト広告を望むところである。
 また解約方法についても、1つに絞らず複数用意して欲しいと思う。