第八十三話: メンズ?レディース?

 
相談事例から“ちょっとためになるお話”

第八十三話: メンズ?レディース?

 相 談 内 容

(1)
 腕時計を注文、商品説明のジャンルに「レディース」とあったので、この情報を信用して手続きした。数日後偶然、他のネットショップにて同商品を見たところ、メンズ用の時計だという事がわかった。
プレゼント用に購入した事から、型式などの情報は調べずにコメントのみを信用して注文した次第である。ショップはサイト上で返品不可を謳っているので、どうしたものかと悩んでいる。
 最悪、代金を支払わなければならない状況だろうか。

(2)
 スポーツウェアを、男性用を頼んだつもりが、女性用が届いた。
 ホームページの商品名や説明文に、「メンズ」「レディース」の記載が一切無かったことが間違えた原因である。メーカーのホームページでは、同商品の最後に書かれている。

 相手方にメールで問い合わせを行い、商品の交換をお願いしたが、10日以上経っても全く音沙汰なし。電話での受付は一切しない、とのことで電話番号はわからない。

 処 理 概 要 及び 解 説

 どちらも「メンズ」と「レディース」を間違えて注文した事例である。
(1)は広告上、「メンズ」と「レディース」が間違えて表示されていた事例で、(2)は「メンズ」と「レディース」の表示自体がもともとなかったという事例である。

 広告表記が間違っている(1)のケースは、広告と違う商品が引き渡されているとも言えるため、いわゆる「お客様のご都合による返品・交換」には該当しないと考えられる。
 一方(2)のケースでは(1)と異なり、積極的な間違いが広告ページ上になかった部分で問題が発生していると考えられるため、事業者が広告表示通りの商品を引き渡しているとなると、そこでどこまでの説明不足を主張できるか、その判断が難しいように思われる。

 アパレル商品は利用者の性別や年齢、体型、属性などにより細分化されるが、特に「メンズ」と「レディース」に関しては、外見上、見ただけではわかりにくい商品も多数存在する。
 また、「メンズ」と「レディース」のカテゴリや表示に関するトラブルは、ネットオークションにおいてもよく見られるものであり、デザインによってはわかりにくい商品もあるという点において、「見れば分かるだろう」と思いがちだが、表示は結構大事な問題なのだと思う。