海外オークション等で利用できる決済代行(資金移動)サービスを利用してカメラを出品し、登録した口座を利用して代金を受取っていたが、支払者のクレジットが不正(盗難)なものだったとして、一度支払われた売上を没収されてしまった。
ユーザー規約には、支払が取り消しになることがある、とは書かれているが、具体的にどんな要件を満たした場合に取り消しになるかは書かれておらず気付かなかった。更に、盗難クレジットに関する詳細情報(クレジットの名称や持ち主等)さえ開示されない。対抗する方法はないだろうか。
被害額は35万円×3回=約105万円である。
海外・国内、また出品者が事業者・個人に関わらず、例えばオークション等において、落札代金の支払いにクレジットカードや銀行引落しを利用する場合は、オークションサイトの指定する決済代行サービスを利用することになる。
これらサービスを利用する場合は、ユーザが予め決済代行サービスにカード番号や銀行口座を登録してオークション取引専用の口座を新たに作成し、その口座を利用してオークション取引の代金の支払いや受け取りを行うといった流れである。
このような代行サービスにより、個人間取引でもクレジット支払いで代金を支払うことが可能となっている。
このケースは、相談者は出品者側であり、取引の相手方が代金の支払いに使用したカードが、実は不正に取得されたものであったと後から判明したものである。
決済代行サービスには規約が複数有り、「ユーザー規約」 には以下の記載があった。
・支払い取り消しのリスク
「お客様は、支払い取り消し、チャージバック、クレーム、手数料、罰金、罰則、および サービスユーザー、あるいは第三者によって発生したその他の賠償の責任を負っています〜」
すると、規約上は、確かに今回のような落札者が支払いに利用したカードが盗難カードなど不正に利用されたものと判明した場合は、強制的に返金手続き行われることになる。
ネット上の取引において、なりすまし被害のリスクを、カード会社や決済代行サービス会社ではなく販売者側が負っているという話を以前紹介しているが(第五話: なりすましへの代償)、これらルールはB2Bだけではなく、そのまま個人に対しても適用されているのである。
ただ、一般の消費者でもある個人に対してもこのようなリスクをそのまま負わすには、少なくとも複数ある規約のほんの一部に記載しておくだけでは不十分である。決済代行サービスの口座申込み時に明示し、きちんと同意を取っておく必要があると思われる。
また、きちんと振り込まれたものが、いきなり後から詳細な説明もなく「この決済は不正利用だったのであなたの口座から返金させてもらいます」と言われても、それでは不信感だけ募り納得できないのは当然である。
これら点は今後の改善を期待したい。