インターネットでサングラスを注文しようとした。注文する商品(21,367円)を伝え、確認メールを受取り内容に間違いがなかったので、そこで指示されたオーダーフォームに移行したところ、なぜか商品の欄が空欄で金額も21,367円なのに21,000円と表示されていた。
ただ、サイト上には「オーダーの内容で金額は変わります」とは表示されており、そのフォーム以外では注文出来ないので、VISAデビットカードでとりあえず注文したところ、すぐに21,000円が引き落とされた。
その後、さらに注文した商品代金21,367円も引き落とされ、合計42,367円支払った形になった。
店側が言うには、『クレジット決済の場合、まず「仮売上」として計上し、その後オーダーを入力して「本売上」として計上するため、「仮売上」もデビット引き落としの対象になってしまいました』との事なのだが、どう考えても二重取りだろう。
さらに疑問なのは、注文した商品が空欄で金額も違うのにクレジット番号の入力をしないと買い物の手続きが出来ないことである。
この経緯を確認すると、この店舗の決済システムとして、何を注文しようとしても、先ずは21,000円の商品を注文されたとして「仮売上」をあげ、カード会社にオーソリがかけられ、後から正式な注文「本売上」(今回であれば21,367円)があれば、前の仮売上は取り消しを行い、本売上のみカード会社に請求を行う流れと推測された。
本来であれば、カード会員がカード会社からの代金引き落とし前に仮売上の取り消しが行われていれば、カード会員にその流れは見えないため、金銭的な面では時に問題は発生しないことになる。
これと似たような販売形態をとる事例
→ 第四話: あなたの知らないクレジットカード決済
しかし、今回相談者が利用したカードは、クレジットカードではなく、VISAデビットカードである。
VISAデビッドカードの使い方は、通常のVISAの付いたクレジットカードと同じで、VISA加盟店であれば実店舗でもネット販売でも全て使用することが出来る。店頭などでは一回払いを指定する。
クレジットカードとの違いは、立替払いではなく、決済時に予め登録している口座から直接代金が引き落とされるので、決済時点で口座残高を超えての使用は出来ない点である。
信用販売ではないので、口座さえ開設すればカード発行に審査はなく、与信枠もないので利用限度額も設定されていない。
このようにデビッド決済では決済手続きが完了した時点で登録している口座から直接引き落としがなされる。ここで相談者がカード決済を選択し、そこにデビッドカードの番号を入力すると、店舗上のシステムでは、通常のクレジットカード決済がなされたものと判断されてしまい、「仮売上」分も、そのまま店舗に即時に支払われてしまったものと推測できる。
もちろん、相談者が21,367円分の注文していないにも関わらず、42,367円分全てが引き落としとなっているなら、その差額を店舗から返還するよう求めることになる。ただ、ここでの問題は、VISAデビッドは引き落としは即時だが、引き落とし時にオーソリがかかるため、返金は即時ではない点である。
ただ、このような店舗側の注文の流れ、及びそのカード決済の処理方法に違法性があるかどうかに関しては一概に判断をすることは出来ないが、ただ、今の社会で、イシュアがクレジットカードとほぼ同じように利用できるこのようなデビッドカードを発行している以上、このような「仮売上」システムをとっている店舗では、同様のトラブルが今後発生する可能性がある。
このような決済システムを持つ事業者ではもちろん、デビッドでは支払い即時にも関わらず返金手続きに時間がかかるといったデメリットがあると言う点において、今後サイト上での充分な説明が望まれる。