携帯オークションで、携帯電話とスピーカーを落札した。このオークションでは、代金引換か指定の決済代行以外の取引は出来ないことになっていたが、出品者の要望により、当日12,500円を郵便振込した。
翌日出品者から、発送したとメール届いた。2日経っても商品が届かず、出品者からは「週明けに届かない場合は、連絡ください」とのことだった。しかしそれから3日経っても届かず、翌日出品者にメール送ったら、仕事終わり次第、郵便局に確かめるという。その後、出品者からメールがあり、郵便事故があったらしく、郵便局に行き、又改めて出品するとのことだった。
その出品者は、そのとき落札したものと同じ型の携帯電話とセットでスピーカーを一緒に出品しており、私は、夜、アルコールが入った状態で出品者に電話して、「今、出品している携帯とスピーカーを、3000円上乗せするから、送ってもらえないですか?」と伝えると、「良いですが、僕もこういう事避けたい(郵便事故について)ので、次はゆうパックにしますか?」というので、私は「宅急便でお願いする」と伝えると、出品者は「宅急便はゆうパックより値段が高いですよ」といわれたので、私は安上がりの方を選んだ。
翌日、出品者より「昼下がりに2個出したけど、2個同時に届くとは限らない」といわれた。しかし、さらに数日しても荷物が届かないため、前回のこともあり焦りが出だした。
そこで警察とオークションサイトに問い合わせした。警察の方には「あと3日経っても届かない場合、刑事課に出頭してくれ」と言われ、私の名前と住所と携帯番号を教えた。警察の方は、こちらからも出品者に電話するとのことだった。
その後、出品者からメールがあり、ゆうパックではなく普通郵便で送ったということだった。さらにメールで「警察の方に間違いだったととりさげてください」と言われたので、私は警察に電話して、今回の件を却下してもらった。そして出品者に電話で謝った。
その翌日、出品者のページを見ると強制退会になっていた。その後、出品者から「オークションサイトに変なメール送ってないか」と確認されたため、「オークションサイトに問い合わせした」と伝えた。
出品者は、前にもこういう事あったらしく、偽ブランドの財布を格安で売って、買主が本物と勘違いしてオークションサイトに問い合わせして、それで退会扱いされた経験があると話した。「3日経っても届かない場合は、早とちりせず自分に連絡くれ」と言われた。
その後、この出品者から、今度は自分のオークションの代役をしてくれないか、と持ちかけられている。どうしたものか。
いろいろ経緯があったようであったが、この相談者においては、代金振込み後、いまだ商品が届かない状況であった。
ただ、当該オークションの決済手段は、所定の決済代行を利用するか、代金引換のみとされているので、その決まりをあえて無視して代金先払いをしろという出品者との取引は、そもそも非常にリスクの高い取引であったと伝えた。
残念なことに、このままでいても、この出品者からは、今後も商品引渡しや代金返還がされない可能性が高いと思われたため、再度警察に相談するよう伝えた。
そして、少なくともこの出品者は、いまだ商品を発送せず、オークションから強制退去させられたり、警察から連絡があると困るような人物でもあるのだから、ましてや、そのような出品者の代役をかうことは、非常にリスクがあること、内容によっては自分も加害者になりかねないことを伝え、断るよう伝えた。
取引における一連の経緯は、詐欺としてありがちな内容ではあるが、この相談者は、なぜか商品が届かなくても、その後もこの出品者と仲良く(?)やり取りをしている。警察やオークションサイトに相談をして、その警察もオークションサイトも、この相談者の申し出に、きちんと対応したにも関わらず、この相談者は、出品者に言われるまま、自らそれを取り下げている。その上、オークションを追い出された落札者の代理をかってでようかどうか悩むのであるから、なんともお人よしである。
こういう相談者には回答のほか、啓発の名の下に、説教を食らわせたい気持ちになる。
どのサイトでも大体取引におけるルールが横並びであったひとむかし前と異なり、取引の流れやルールが、各オークションにより現在はかなりの差別化がなされている。ネットオークションが詐欺の温床になりつつあったことを懸念して、各オークションサイトが犯罪防止のための対応を検討した結果だと思われる。
それら対応により、外見上、オークション上における取引の詐欺は減りつつあると思われるが、それでも残念ながら匿名性が高い以上、詐欺案件がゼロになるのは難しい。
しかし、何よりその詐欺の撲滅においては、そのオークションを利用する各ユーザのモラルが前提となっており、詐欺をなくすために設定されている各オークションのルールを守ることは最低限のユーザのモラルである。それがどうしても守れない場合は、その極めて高いリスクをユーザが充分承知しておく必要もあるのだと思う。