アメリカ在住日本人。
インターネットで知り合った衣料品のショップを経営している人に、アメリカから買い付けをして欲しいと言われ、1商品500円の手当てを出してくれる約束でその仕事を引き受けた。メールで連絡を取り合い、8万円分の商品代と私への手数料を払うと言いながら、3ヶ月以上経過しても、未だに払われていない。最近ではメールも無視、国際電話も無視されている。
連絡はメールのみだが、ただ、彼から送られてきた、そのネットショップのお客様の名前、住所等の情報を持っている。
もし、私のことを雇っていないと言うのであれば、私のような第三者に対し、お客様の情報を流したという形で、この人は罪には問われないのだろうか。
メールだけで、この人を信じてしまった私が悪いのだが、どうにかこの代金を取り戻す、又はこれ以上、私の様な被害が出ないように、顧客情報、この事をネットに書き込みたいと思っている。
事業者のサイトを見ると、主に海外の衣料品の販売を行っており、また手数料15%の海外サイトからの購入代行サービスも行っていた。
相談の件では、日本の事業者から買い付けを依頼され、約束どおり商品を送ったが、その費用と手数料が未だ支払われない状態であるとのことだった。
そこで、その事業者とは、どのような契約関係にあったのかを聞くと、1枚商品を買うごとに500〜円の賃金が払われることになっており、最初、相談者が商品代と、それを日本まで送る送料を負担し、後から事業者が私の所に、その代金と費用が振り込まれることになっていたということだった。
しかし、1回目の商品発送後、事業者から「どうしても送って欲しい商品がある」といわれ、1度目の商品代などが未払いのまま、2回目も送ってしまった、ということだった。
そこで第三者にお客様情報を流した、という点について、買い付け担当の相談者が、どうしてショップの顧客情報も入手することになっていたのかを聞くと、それはアメリカの相談者から、直接お客様に送って欲しいと事業者に頼まれ、事業者が住所などを一方的に送ってきたということだった。
事業者と電話で連絡が付かないことについて訊ねると、事業者はかかってくる電話には出ず、しばらくしてからその番号にかけ直してくる、といった連絡方法をとるので、自分の番号を利用するとかけ直してこなく、公衆電話などを使っても出ないし、そこにかけ直されてきた時には、もう公衆電話の前にはいない状態であるとのことであった。
そこで、連絡手段においては、書面による方法もあるということを伝えたが、ただ、海外からだと、なかなか難しいと伝えた。
相談者は、日本に行ったら警察に相談したいということだったので、刑事事件として取り扱ってくれるかどうかは微妙だが、警察から1度電話をかけてみてもらったらどうか、と伝えた。
そうしたところ相談者は、もし、自分が持っているお客様の情報をネットに書き込むこと、自分がやけになっていると思うが、もうこのショップからお客がいなくなれば良いとさえ最近は思うので、そのお客様には申し訳ないが、被害者が出れば誰も買わなくなるのではと思う、と言い出した。
そこで、相談者が現在所有している顧客情報は適切に管理するべきものであり、勝手にネット上に公開することは許されない行為であることを伝えた。
そして、相談者に対しては、辛い思いをしていることは良く理解できるが、それら顧客に何も罪はないこと、これからも冷静の判断をするよう念を押した。
ネットで知り合っただけのショップに対し、買い付けを頼まれた上、現地から商品を発送するよう言われ、その顧客情報を簡単に渡されていたということだったが、その費用と報酬、商品代立替払い分が支払われないからといって、その知り得た顧客情報を「人質」に取ろうとする、この相談者の考え方も非常にマズイ。
このショップサイトにはプライバシーポリシーがあるが、ショップで定めているのではなく、ショップとそのショップが利用しているショッピングカートのASPサービスとの契約の中で定められているプライバシーポリシーを使用していた。そこには「お客様の断りなく第三者に個人情報を開示・提供することはいたしません」「お客様よりお預かりした個人情報の安全管理はサービス提供会社によって合理的、組織的、物理的、人的、技術的施策を講じるとともに、当ショップでは関連法令に準じた適切な取扱いを行うことで個人データへの不正な侵入、個人情報の紛失、改ざん、漏えい等の危険防止に努めます」とあり、もし、この相談者が勝手に顧客情報を流出したら、それはショップ側の責任になると思われる。
ただ、注文者にとって見れば、相談者のショップとの約束ごとに問題が発生したことで、自分の個人情報が危機にさらされる可能性があることなど夢にも思っていないだろうし、注文した内容がショップ内でどのように処理されていくのかについては分からないのである。サイト上で、お仕着せのたいそうなプライバシーポリシーを謳っていたって、ショップ内の人間が、その情報を簡単に考えているようでは意味がない。