日用雑貨を販売しているサイトで、今まで良く買い物をすることがあったのだが、15日から翌月1日まで9周年記念セールというのをやっていると書いてあったので、1日に注文しようとしたら、もうセールをやっていなかった。
問い合わせたところ、「1日の午前4時までです。注意書きもあります」との回答だった。
しかし、午前4時なんて、だれも起きていない時間ではないかと思う。それに、注意書きは、同じ画面上には書かれておらず、なんだか常識を外れているとしか思えない。
最終日は午前4時までと書いてあれば、一日早く注文したはずで、会社の常識を疑う。
ショップのFAQの「ご注文について」のページには、以下のような記載があった。
・毎月のセールはいつ頃切り替わりますか。
早朝4時頃に切り替わります。
例:1月1日〜2月1日の場合(1月1日午前4時頃から2月1日午前4時頃まで)
〜
しかし、セールの商品広告ページなどには、切り替え時間に関する記載は一切なく、「セール期間は15日から翌月1日」という記載しか確認できなかった。
確かに「午前4時」という時間設定は現実的では無いという見方も出来るが、基本的に取引条件等はサイト側で予め定めておくことが可能であり、その内容に同意の上、注文者は注文を行うことを考えれば、「午前4時」と設定することは自由であり、それ自体に、何かしらの問題点を見出すことは難しいように思われた。
従って、問題点があるとすれば、これら条件が書かれた内容やリンク先の表示などがわかりにくいような場合、申込みの際にこれら内容が書かれた規約等に同意ボタンが存在していないような場合は、その内容が契約条件とはならないという考え方も出来る。
ただ、規約の有効性については微妙だとすると、事業者側にて、セールの切り替わりが当日午前4時という設定が予めされており、それがサイト上で注文前に確認できる状態であれば、午前4時を回った注文は事業者がセールにて受け付けなかったとしても、それは致し方ないということになろうと伝えた。
ただ、もっと分かりやすく表示しておくほうが、より注文者にとって親切であり、事業者の姿勢として望まれると言える。
リアルの店舗であれば、「セールは本日まで」とだけ書かれていれば、それは閉店までと当たり前のように思い、一方、ネットショップは24時間365日開店しているため、「本日まで」と書かれていれば、何となく23時59分59秒までと思ってしまうような気がする。どちらにしても、時間制限があれば、「本日午後5時まで」と具体的に書くだろう。
このケースは、「セールの切り替えは午前4時まで」という注意書きが、FAQにしか記載がなく、これでは見落としてしまう可能性がある。それより相談者の一番の不満点は、そもそも「午前4時」という切り替え時間の設定は、通常の常識を外れているのではないか、という点である。
ただ、常識を外れているか否かは、現在の社会でネット注文が24時間できることがメリットと考えれば、相談者の主張が正しいという判断を一概にすることは出来ないように思われる。ここは、セール画面にも時間制限があることをきちんと表示しておくべきであろう。逆に、セールが、初日の0時0分0秒からだと思って注文しようと待ち構えているユーザもいるだろうと思われるからである。
このように、いつでも注文が出来るネット販売の場合、受付時間を間違えてトラブルになるケースがいくつか発生する。特に、個数や時間が限定された販売に多い。
もちろん、特定商取引法上は、広告の表示(法第11条)として、「申込みの有効期限があるときは、その期限」が義務付けられているが、その表示は一箇所、見落としがちなところに書いておけばそれでいいというのではなく、商品ごとに記載しておくことが必要ではないかと感じている。