第六十五話: 予想もしない請求金額

 
相談事例から“今どきの消費者”

第六十五話: 予想もしない請求金額

 相 談 概 要

(1)
 仕事で海外で使用したモバイル通信機器の通信料が帰国後の請求結果、個人で支払い不能な金額(1,346,170円)に達してしまった。対処方法があればお聞きしたい。
 尚、取引業者との料金交渉なども試みたが、先方からは契約後の料金プラン変更、割引サービスなどは適用できないとのこと。

(2)
 携帯電話を購入した際に店員から契約説明を受けたが、そこでパケット通信の使い放題加入の説明をされた。パケット通信使い放題プランに加入すると、どれだけパケット通信を使用しても定額との事だった。ただ、私は少しでも基本料金を安くと思い、パケット通信使い放題プランに加入しなかった。
 ある日、着信音を歌やメロディーにしたくてサイトを検索して見たら、月額300円、歌1曲ダウンロード350円、別途パケット通信料が課金されます、とあったが別途料金の詳しい表示はなかったため、歌をダウンロードしたりしていたら、1ヶ月の請求が18万を越えていた。
 携帯電話会社に問い合わせると、お客様はパケット通信使い放題プランに加入してないと言われ、歌1曲ダウンロードするのには幾らかと問い合わせると12,000円と言われた。  
 では歌1曲ダウンロードが12,000円という表示は何処に表示されているかの問いに「それは有りません」とのこと。その後、請求が積もり積もって45万になった。 

 処 理 結 果 及び 解 説 

 こちらには、時々通信関連の契約に関する相談もはいる。元来、ECネットワークはネット上の取引等に係るトラブルの相談を受けているので、携帯電話やプロバイダ等の通信関連に関する相談はもともと範疇外だが、それでも入る相談には全て回答することにしている。
 良くある内容の1つとしては、事例のような高額請求である。もちろん事業者側では請求根拠を持っており、パンフレット等には必要事項は記載されていることがほとんどだが、ただ契約は店頭で行われるため、店頭での説明不足などの問題もある。
 解決には先ず個別の聞き取りと調査が必要である。
 
 説明不足が認められると、請求が取り下げられたり減額されたりするケースもあるが、契約書等に全く問題がない場合や契約自体に問題性がない場合は、そのまま請求されることもある。ただ、あまりに高額な請求になっている場合は、分割支払い等の相談を、これもまた個々の事情をかんがみケースバイケースで検討してもらうことになる。

 そもそもこういった通信契約で疑問なのは、ユーザも知らないうちに、どうして請求額が何十万円、何百万円という金額に膨れ上がってしまうのかという点である。
 通常の契約で、契約者の知らないうちにいつの間にか請求額が何十万円、何百万円になるというケースはほとんどないように思われるため、その点はユーザ側の落ち度だけを責めるのではなく、例えば定額制にしない場合は利用量の上限を定めるなど、突然高額な請求にならないような対策を、いまや各通信事業者側でも物理的に講じる必要があるのではないかと考えるのだがいかがなものなのだろうか。