第六十九話: 相談者には猛省を

 
相談事例から“今どきの消費者”

第六十九話: 相談者には猛省を

 相 談 概 要

 40歳代、無職男性。
 恥もなく自分でもどうにもならなくなって悩んだあげく相談することにした。
オークションで売買を繰り返すうち、業者との大口取引を繰り返すうちに自己資金をいつしか越えてしまい、生活費もあり仕入れては売る、の繰り返しのうち、商品が手元にないのに売る空売り状態になり、いつしか自転車操業状態になった。

 システムで大量出品し、気がつけばIDは利用停止になり、約30人の落札者に約100万円返すはめになった。オークションでIDの評価欄を見ていただければ分かると思う。
 電話もパンク状態で夜中にはいやがらせの電話もあり精神的にまいってしまった。ID停止は、システム上、落札者へ連絡できないようになっており、落札者からみれば詐欺になってしまう。手元にはすべての商品分の金額はない。
 入金されている方で、住所がわからない方の開示、落札者で本名住所を掲示され削除依頼も含めは今朝オークションサイトに求めたが返事は無い。自分の責任なので取らなければならず、今後どのようにしていったらよいか教えてほしい。

 処 理 結 果 及び 解 説

 落札者から代金を得た上で、相談者はその約束を既に履行できない状況のため、本来であれば、相談者は落札者から受けとった代金を全て返還する義務がある。
 各落札者を債権者とすれば、最終的に相談者が債務者としての義務を果たせない場合は、相談者には何らかの債務整理が必要になるかと思われる。

 その際、このようなケースで相談者に自己破産が認められるのだろうか。
 例えば自己破産であれば、その最終的に債務から逃れるには免責が必要となる。その点、専門家に尋ねたところ、詐欺、不利益処分のような免責不許可事由がある場合は裁判所の判断によっては免責されないこともあるとのことだった。

 どちらにせよ今後どのように対応するかは、既にこちらの相談機関ではなく、弁護士等における法律相談を利用する必要があり、資力が無い場合は法テラスに相談することも出来る。
 相談者が一日も早く立ち直ることを期待して終了とした。