インターネットの宝くじサイトでうっかり、海外のオーストラリア政府発行宝くじなるものをクレジットカードにて申し込んでしまった。よく確認もせずに購入申し込みをしてしまったのである。
数日後、国民生活センターのホームページで、日本国内で海外宝くじの販売、取次ぎ・授受をおこなうこと、また、消費者が海外の業者と直接取引をした場合は、刑法187条で禁止されており罰せられるとの解説を見た。わたしのケースも、これに該当するのだろうか。また、何かネット詐欺にあってしまったような気がして、カード番号も知らせており悪用されないか心配である。
当面、どのように対処したらよいのだろうか。実際は現在時点で被害に遭ったわけではないが、かなり心配である。
サイトには、以下の記載がある。
『海外の宝くじは違法ではないのでしょうか?』
違法とされているのは海外の宝くじを国内で販売している業者です。これは、あくまでも海外の宝くじの販売を違法とする国の中での販売ですので、その国々の定める法律により販売行為が違法と認識される場合があります。
当社では、オーストラリアロトをインターネットにて購入することは、サーバー(お店)も決算場所(購入場所)も海外である為海外で購入したことになると考えております。
たとえば旅行でオーストラリアに来てロトを購入しても税関で取られることはありません。それも同じものと考えております。すなわち、どこにすんでいても購入することは出来ますし、当選しても賞金を受け取る権利はオーストラリア政府によって守られているのです。
当社はオーストラリア国内においてオーストラリアの法律を守り法律事務所から正式に認められているロットハンドラーです。
ちなみに日本では「罪刑法定主義」(憲法31条,39条前段,73条6号にて規定)が有りますので、今現在法律に書かれていないインターネットでの宝くじの購入に関しては違法にはならないでしょう。
今後法律が変わったとしても「遡及処罰の禁止」(憲法第39条の明文に規定)により変わる前の行為は不問となりますから、法律が変わった時点で退会されれば問題ないと思います。その際は当ホームページでもお知らせさせて頂きます。
インターネット等により外国発行の宝くじを購入する行為は、富くじ収受罪に該当すると解されている。
本件HP上では、違法ではないとの説明がされているが、日本の法律では、違法と解される。富くじ収受罪の法定刑は、20万円以下の罰金又は過料である。
但し、被害者がいる犯罪ではないし、どちらかといえばごく軽微なものなので、とりあえずは今後このような購入を行わないように注意をしながら様子をみるという対応で良いと考える。
また、こういったサイトでは、ネット詐欺も頻繁にあるようだが、カード番号を悪用されるのではないかという心配があるならば、とりあえず当該カードを解約してしまうというのも一つの考えと思う。
万一具体的な被害が生じたら、民事上の手段で被害回復を行うことは難しいので、警察に被害届出を出されるのがよいだろう。
インターネット上で海外宝くじやロトくじを購入したという相談は、インターネット上における取引に限らず、前々から多いトラブルの1つである。特に、昨年に多く発生した、ウェブ上のポップアップ広告における海外ロトくじの記憶が新しいところである。
(ためになるお話 第二十五話 カモられる日本人:参照)
そのような相談の場合、クレジットカード決済をした金銭的被害の救済に問題点を向けてしまうのだが、この相談者のように、そもそも購入した行為自体に問題はないのだろうか、その点を心配する相談者もいる。
刑法には、以下の記載がある。
第187条(富くじ発売等)
1 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。
海外宝くじの購入は、この3に該当すると解されている。
ただ、これで実際捕まったという話は、ほとんど聞いたことが無いと思う。従って、今後取引せずに、とりあえずはこのまま様子をみるという対処方法で良いということであるが、海外宝くじを安易に購入しようとすることは、購入した代金が戻ってこないばかりか、さらに罰金や科料を取られる危険性があるということを少し考えておいたほうが良いのかもしれない。