ネット上で営業を行う事業者にとっては、消費者からのメールや電話等による問い合わせが必ずあると思います。本ガイドラインには、注文前の消費者からの問い合わせに対する、ひとつの基準を設けています。
本ガイドラインでの記載内容です。
4-3.消費者からの問い合わせについて
広告する商品に対し、注文前に消費者から質問や問い合わせがあった場合は、可能な限り迅速かつ適切な回答を行い、放置するようなことがないようにすること。
特に注文前の問い合わせですので、販売する側にとっては、購入する意思のあるお客さん、ということになります。そのお客さんをあまり放置するようなことは無いと考えますが、返答に時間がかかると消費者が先に注文をしてしまい、その後『自分の求めていたものとは違う』と主張され、返品やキャンセルによるトラブルに発展するケースがあります。ネットオークションの際にも、似たようなことが書かれていることと思います。
リアル店舗であれば、消費者はその五感を使い、その店が自分に合っているのかどうかを判断することは可能ですが、ネットショップではウェブ上に書かれている広告や情報で判断するしかありません。しかし、消費者はリアル店舗と同じように、ネットショップに対しても、サービスを重視する傾向はあります。当たり前の話ですが、サービスの良いショップであれば、リピーターになってくれます。
自分の問いかけに迅速に対応してくれるようなショップであれば、消費者はたとえ購入に至らなくても、そのショップに対し信頼をおくようになろうかと思います。これらも、一見当たり前のように見えて、実はなかなか出来ていないショップも多くあります。
例えば、『安く提供するのだから、その分サービスなんて二の次で良い』という考えもあると思います。通常価格でもサービスの良いショップを選ぶか、それともサービスより安さを選ぶか、それは消費者に任されるというのは、決して悪い考えではないと思います。
ただ、少なくともサービスをないがしろにしたショップが長く生き残っているのをあまりお見受けしていません。また、サービスが良い、と断言できるようなネットショップが、まだまだ少ないのかもしれません。
『質問は受けない、わかる人のみ購入してください』と記載しても、それではプロ意識があるショップとはいえないと考えます。
さて、適切な回答というのは、文字通り、その問い合わせに対して適した回答ということです。商品への問い合わせであれば、その状態や使用方法について、消費者の視点に立った内容で回答する必要があります。
注文前ですので、ショップ側としては、もちろんその商品を購入して欲しいわけですから、時に誇大広告や説明をしてしまうことがあります。あとは多少なりとも虚偽の説明をしてしまうことです。ウェブ上の広告内容だけで判断したのであれば、消費者もイメージ違いを自ら認識することは出来ても、わざわざ質問して確認した上購入したにも関わらず、目的と異なる商品だったとなれば、かえって消費者側の不満は大きくなってしまいます。
特に中古品に関しては、全ての状態の説明はなかなか難しいことと思いますが、せめて消費者側に視点に立った時に、マイナスと思える部分をきちんと説明することは、トラブルを避けるというよりも、その消費者の信頼を得た上で、その後のリピーターとして迎え入れるためには重要と考えます。