ガイド詳解7: 返品・キャンセルについて 後編

 
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ガイド詳解7: 返品・キャンセルについて 後編


本ガイドラインでの記載内容です。

3-3.返品・キャンセルについて
事業者において返品・キャンセルにかかる特約がある場合は、その受ける期間及び返品に要する費用の条件をサイト上に表示しなければならない。その表示は可能な限り具体的であることが望ましい。
下記についても注意すること。

・返品を受けない場合はその旨を必ず明記し、その理由についても明記すること。
・返品特約についての一切の明記が無い場合は、原則として返品可とみなすこととする。
・商品発送前のキャンセルに関しては可能な限り受けるように努力するべきであり、どうしても困難な場合はその旨サイト上に必ず明記しなければならない。
 なお事業者の責により約束が履行されない場合の消費者からのキャンセルに対しては、原則無条件で受けるべきである。
・返品・返金に応じる場合、消費者が先に商品返品後返金するのか、或いは返金後消費者からの返品を受けるのかを予め明記しておくことが望ましい。
・返品手数料及びキャンセル料が発生する場合は予めその旨をサイト上に必ず明記し、その具体的明細を提示して消費者の理解を求めるようにするべきである。
 なお実損以上の請求をしてはならない。また消費者に一方的に不利な条件は全て無効とする。
 

 事業者が商品を返品・返金対応する場合、まずは商品を返送してもらい、その商品の状態を確認してから代金を返金する手続きを取っているところが多いことか思われます。見方によっては当たり前のような話ですが、この「返品が先か、返金が先か」でトラブルになっているケースを、実は思いのほか多く見てきています。

 顧客対応において別途トラブルが発生しているような場合、もう事業者を信用できないとして、先に返金してくれないと商品は返送できない、と主張する消費者もいるからです。
この場合、立場的に強いのは販売側ですので、返送してこなければ返金しない、と言う姿勢を貫くことは可能でしょうが、それよりも最初から明記しておけば、そういった望まないトラブルを避けることが可能であると考えます。

 利用規約において、消費者側からの都合による返品・及びキャンセルを受ける際に、一定の手数料やキャンセル料をもらって対応するという場合があるかと思います。もちろん、そういった条件に関しては、予めサイト上にその旨、明記しなければなりません。
 ただ、単に「返品に関しては事務手数料を差し引きます」「キャンセル料は販売価格の10%」のように記載するのではなく、どうしてそれだけの手数料やキャンセル料がかかるのか、またそれにかかる費用は具体的にどのような理由によるものなのかを、可能であれば具体的に提示すると消費者からの理解が得られやすいと思われます。

 また、キャンセルや返品に対して販売側に損害が発生するようであり、そのキャンセルや返品が消費者の自己都合によるものであれば、その実損分についての請求は、ある程度止むを得ないとも考えられますが、あくまで実損分に留めておくべきであり、キャンセル料や手数料をもらうことで「儲け」が出るようであってはならないと思います。よく「注文後のキャンセルは商品価格の50%」と書いているショップを見ることがありますが、在庫商品を販売するだけで、商品発送前のキャンセルに、そこまで実損が発生するとは到底思えません。
 そのほか、消費者契約法に反する条項は無効です。