<事例>
Fという出会い系サイトに、妻が騙されてしまいました。
騙されたきっかけは、いつの間にか登録されメールが届くようになり、お金を寄付したいとのメールが届くようになり、最初は断っていたようですが、是非にと言うことで、やり取りを続けてしまい、気が付くと2ヶ月で70万ほどクレジットカードを使っていました。
妻は、寄付があるのでポイントを消費してもなんとかなると完全に信じていました。ポイントが残っていたので、会う約束をさせ、当日会いにいきましたが、なんだかんだ理由をつけられ、会えませんでした。この時点で妻は騙されたことに気が付きました。
今は、サイト運営者とクレジットカードの決済代行業者に支払い拒否の内容証明を送って調整中です。このFと言う出会い系サイトにサクラがいると確信していますが、情報が少なく、このサイトについて情報があれば教えていただきたく思います。
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最近は出会い系サイトの、いわゆるサクラ被害に相談が多く寄せられている。サクラの被害は、少し前では男性が多かったのですが、最近は女性の被害者の割合が多くなってきました。
女性の場合は、最初から出会い系サイトに登録するのではなく、占いサイト、懸賞サイトなどにアドレスや生年月日を登録すると、その登録情報が出会い系サイトに自動的に登録されて、そこからサクラによるメールが届くことにより、やり取りに必要はポイントを購入し、結果サクラに騙されたと知ったときには、高額な被害に遭っているというケースが多くなっています。
支払手段は、主にクレジットカード決済代行・電子マネー・コンビニ収納代行・銀行振込が利用されています。複数の決済手段を利用することで、通常の取引と比べ交渉相手が増え、解決を困難とすることも多くあります。
さて、他のサイトに登録した情報を流用して、別のサイトから広告メールを発信することは、オプトイン規制となった「特定商取引法」「特定電子メール法」に違反することになります。オプトイン規制については、下記ページをご参照ください。
このFというサイトは、当時、複数の出会い系サイト運営会社がメールアドレスなどの会員情報を互いに流用していたというasahi.comの報道で名前があがっているサイトでした。
報道によると、コンピューターシステム開発会社を通じて、「着メロ」「ゲーム」などの一般サイトの会員情報を「注入」と呼ばれる手口で取得し、「コンバート」と呼ばれる手口で出会い系サイト運営会社に横流ししていたということです。運営会社は、注入やコンバートで得たアドレスに一方的にメールを送りつけており、相手の同意を得ない宣伝メールの送信などを禁じた特定電子メール法違反の疑いがあるということです。
また、流用された会員情報は今年3月までの半年間だけでも延べ100万人以上にのぼるということです。
出会い系サイトに関しては、前々から登録アドレスの流用が噂されていましたが、その場合、多くは入り口である占いサイトや懸賞サイトなどは、出会い系サイトがダミーで用意したサイトであり、そこに登録させることにより、姉妹サイトを称した本来の目的である出会い系サイトに自動登録させるという手口が主流と思われていました。
しかし、今回のサイトはダミーサイトではなくアドレス流用ということがはっきりしたため、この出会い系サイトからの広告メールは全て違法ということになろうかと思われます。この報道により厳重な処罰を検討して欲しいと思っています。
なお、特定商取引法では、
・請求や承諾をしていない消費者に電子メール広告を送信した場合
・電子メール広告の提供を拒否した消費者に電子メール広告を送信した場合
・請求や承諾の記録を作成・保存しなかった場合や、虚偽の記録を作成・保存した場合
については、100万円以下の罰金が科せられるとされています。
またこれら内容は、主務大臣及び都道府県知事による行政処分(指示又は業務停止命令)の対象にもなります。
特定電子メール送信法では、同意のない者への送信は総務大臣による命令と、命令に従わない場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、特に法人の場合の罰金は3000万円以下とされています。
ただ、出会い系サイトの被害救済は、ケースによっては決済手段にて多数の事業者が絡むこととなり、解決に向けた交渉に時間がかかったり、またサクラ行為を一切認めないサイトにより交渉が難航するケースもあります。そのような出会い系サイトに関する金銭の被害救済に関しては、また別の機会に紹介したいと思います。