(事例)
タイシルクのショールを10,290円で購入したのですが、きつい香りがしてとても使えるものではありませんでした。返品を申し出たところ、返送の際の送料と、発送にかかった送料を負担するよう言われました。
確かに、サイトには「初めての方へ」というページにおいて「商品によってはアジア物特有の香(天然素材の香り、染料の香り、お香の香等)が残っているものもございます」との注意書きがあります。
でも、まさかこんな臭いがするものとは広告ページを見ただけではわかりませんし、こちらの落ち度とは思われません。
面倒なので送料は支払うつもりですが、実はそれより店の客をバカにした態度は許しがたいのです。私は気持ちよくやとりとできるように、できる限り言葉を選んで返品について連絡したつもりです。なのに、タチの悪いクレーマーのような扱いをされました。
以下が、店からの返答です。
『こんにちは、**様。
ご連絡ありがとうございます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
通常、「香り」がついていたというだけでは「不良品」とみなす事はできかねます。
当方の落ち度であきらかな「悪臭」というものが付着しているのでしたら、それは「不良品」として当店が責任をもって回収致しますが、今回の場合のような「香り」の好悪に関しましては、主観的なものと思っております。
もし主観的に感じられた「香り」までをも「悪臭」として「不良品」扱いになってしまうのなら、「香り」が付いているとして、サイト上に「香り」が付いている事の断わりがないことを根拠にすべての商品が「不良品」とされてしまいかねません。そうなってしまったら実質、どんなものでもお店側の責任としての「返品対象」になってしまいますよね。
アジア衣料雑貨だけでなく、物には多かれ少なかれ「香り」があることと思います。
その「香り」はお客様の主観によってはとても良い香りになることもあれば、不快な「香り」になってしうこともあるでしょう。
残念ながら**様はこのような「アジア雑貨屋さん特有の香り」がちょっと苦手ということでしたので「不快」に感じてしまった事と思います。しかしだからと言って、不快と感じられたお客様だけを特別扱いする事は常識的にみてちょっと無理があると思っております。
また、「不良品」とは、常識的に考えて、誰が見てもあきらかに欠陥のある商品のことであると考えております。
衣料品でしたら、あきらかな酷いシミがあったり、破れがあったり等のことになります。
食料品でしたら賞味期限が切れていたとか、異物が混じっていた等々。味が口にあわなかったいうことや、思っていたよりもカレーが辛かった等では、「不良品」とは言えませんよね。
ここで大事な事は、「誰が見てもあきらかに」ということです。常識的な染料や洗剤の香りや、お香、天然素材独特の香り等は、これにはあてはまりませんよね。
いくら**様がこういう香りが苦手であるとしましても、そういう香りをとても「いい香り」と捉えているお客様もたくさんいらっしゃいます。
ほとんどすべてのお客様が不快と感じるような「香り」でない以上、それを「不良品」としての「香り」とすることは出来ないと思います。
そうである以上、その件をサイト上に表記していなことを理由に、免責事由にふくめることはできかねます。
表記してあれば、より親切である、ということは言えるかもしれませんが、必要絶対条件ではないと思っております。
香り(常識的な範囲内での)がついていたと言う事は、色がイメージしたものと違っていたり、サイズが合わなかったりと同等のお客様のご都合による、主観的な問題と理解しております。
つまり、もしかりに今回のストールに**様が好きな香りが付着していたとしたら、それは好ましい香りとしてご返品にはならなかったのではないでしょうか。
お客様の「落ち度」という意味ではなく、「お客様ご自身のご都合」によるご返品という意味になります。お客様のご都合によるご返品である以上、常識はずれでご無理な事をお願いしているのではなく、社会的な常識から判断して、今回は当店の返品規定に則って送料等をご請求申し上げている次第でございます。
どうぞ御理解下さいますようお願い申し上げます』
売買の場で、買い手が一方的に有利になると思いません。
横柄なお店にはもちろん嫌悪感を感じますが、私は人間と人間として、気持ちよく応対したいと思っておりました。なのに気持ちを踏みにじられた気分です。私は、普通に、ホームページを見て、タイシルクのショールを欲しいと思って注文しました。きれいなショールが欲しかっただけです。
香りのことはとても残念でしたが、それ以上に、この対応には失望しました。
私が不当な返金を迫るタチの悪い客みたいな言い様です。
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この店から送られてきているメールの構成を見る限りでは、この店はこの相談者のクレーマー扱いしているようには見受けられませんし、言葉遣いも丁寧で、一見、きちんと事情を説明しているようにも見えます。
しかし、一方の当事者としてこのメールを受取ったとしたら、どのような気持ちになるでしょうか。これで客の理解が得られるでしょうか。
逆に理解を求めようとするあまり、「常識的」という言葉とともに一般論を多用して例え話を持ち出すなどにより、本来伝えるべき内容に余計な尾ひれ背びれがついてしまい、結果、あたかも自分の言い分が「常識的」に見て正当であり、客側の主張は不当であるという点だけが強調された内容になってしまっています。
これでは、相談者が「(反社会的な)クレーマー扱いされた」と感じてしまうのも無理はありません。
また、一般論は、利害関係のない第三者から客観的に言われて初めて効果があると考えます。少なくとも当事者が一般論を持ち出しても、もう一方の相手方の理解はなかなか得られません。
客から要望に店として応えられない時の返答では、肝心の焦点がぼやけて、全体的に単に客の行為を攻め立てるような印象の文章になってはいないかどうか、必ず読み手の立場で読み直してチェックするよう心掛けて欲しいと思います。