その6: 連絡方法(1)

 
トラブル事例に学ぶ顧客対応講座

その6: 連絡方法(1)

 こまめなメール連絡が不安をなくす

 (事例)

 昨晩、スピーカーのセットを39900円にてサイト上より注文をしたのですが、自動送信メールにて注文受付の連絡があったきり、在庫確認や発送日などの連絡メールが一切届きません。

 未だ1日経っただけなのですが、今までネット通販で半日以上連絡のタイムラグがあったことがなかったので心配です。

 この事業者について何か情報をもっていますか。
 また、倒産した会社がサイト運営を続けることが可能なのでしょうか。

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 このケースは、こちらで事業者のサイトの「ご注文方法」を確認すると、以下の記載がありました。

・注文の流れ
「ご注文が終了いたしますとご確認のメール、が送信されます。これでお買い物は完了です」

・商品引渡し時期
「商品のお引渡し: 2日-1週間」

・カード決済
「クレジットカードご利用のお客様は商品発送時にカード決済を行います」

 相談内容では、『自動送信メールにて注文受付の連絡があったきり、在庫確認や発送日などの連絡メールがきません』とのことでしたが、実際にサイトの記載内容を確認する限りでは、当該事業者が、特に『在庫確認や発送日などの連絡メール』を発信すると自ら宣言しているわけではありませんでした。
 なので、相談者の言う『在庫確認や発送日などの連絡メール』といったメールそのものが、当該事業者との取引においては、手続き上、無いということになります。
 また、商品が発送されない限りはクレジット決済が行われませんので、商品が発送されない限り、相談者に金銭的被害は特に生じないものと思われました。

 ただ、この相談者は今まで取引してきたネットショップでは、注文後、事業者から半日以上何も連絡がないという経験が今までなかったので、とても不安に陥っているようでした。もちろん、この相談者に対しては、たった1日連絡がないだけで“倒産の可能性”を疑うなど、そんなに不安になるのか?という疑問も生じますが、ただいろいろな注文者がいますので、この相談者がおかしいと言い切ってしまうのも、また強引な気がします。
 特に注文者が過去に、注文後も『在庫確認や発送日などの連絡メール』などがこまめに来るようなショップサイトとの取引に慣れていると、どこで注文しても、『在庫確認や発送日などの連絡メール』が当然に届くものと勘違いしてしまっている場合もあります。

 従いまして、なるべく商品が届くまでは、しつこくない程度にこまめに連絡を取るほうが、注文者も不安がなくなり安心して商品到着を待つことが出来るのではないかと思われます。

 このケースでは、その後、相談者より、確かに事業者のサイト上、見落とし部分があったこと、その晩に事業者から自分の携帯電話に「在庫がないのでキャンセルになります」と連絡があり、キャンセルメールを受信したとのことでした。